宮城県は今年度から東日本大震災被災者の「孤独死」の統計上の定義を見直した。県の統計でこれまで「0人」だったが、県警が3月末時点でまとめた仮設住宅での孤独死の数に基づき、87人に変更した。
震災孤独死について、県はこれまで仮設住宅に住む65歳以上の高齢者のうち、「1人暮らしで地域から孤立し、意思や状況が周囲から理解されないまま結果として死に至った状態」としていた。県警は年齢などを問わず、「仮設住宅の1人暮らしで死亡した人」とし、昨年末時点で84人と集計。村井嘉浩知事が今年2月「県の主張と県民の捉え方に大きな隔たりがあってはいけない」として見直しを表明していた。
毎日新聞 4月13日(水)
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敷地などにごみをため込む「ごみ屋敷」に対処するための条例を神戸市が制定する。久元喜造市長が9日に記者会見し発表した。ごみの撤去などを住民に勧告、命令でき、氏名公表や過料の罰則や、市が強制的に撤去する「代執行」も行える。久元市長は「既存の法令では対応できない問題。条例だけでなく、福祉的な対応も必要だ」と話している。6月に条例案を議会に提出し、10月施行を目指す。
ごみ屋敷を巡っては、「廃棄物ではない」と主張する住民もおり、敷地内のごみの撤去を求めるのが難しいケースもある。条例は、廃棄物などがたまり、悪臭や害虫が発生している建物をごみ屋敷に定め、改善を義務づける。行政指導や助言・指導、勧告、命令などの措置を行う。従わない場合は氏名公表や過料、代執行もできる。 ごみ屋敷の住民が地域で孤立したり、精神疾患にかかっていることも考えられるため、措置を行う際は弁護士や福祉の専門家らでつくる第三者委員会で判断する。また、社会福祉協議会とも連携して対応するという。
毎日新聞 3月10日(木)
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お年寄りの孤独死防止に向け、神奈川県住宅供給公社と平塚市が新たな協定を結んだ。住民の3人に1人が65歳以上の平塚田村団地(同市田村2丁目)で、入居者らが異変に気付いた際の対応窓口を一本化し、迅速な初動体制を構築するのが狙い。県内では座間、小田原市に続く3例目で、関係者は超高齢社会を見据えた見守り活動の一環として民間マンションなどへの広がりに期待を寄せている。
1974年に入居が始まった田村団地は4~5階建てが16棟(全532戸)あり、住民は約千人。このうち65歳以上が占める割合(高齢化率)は36・9%で、平塚市全体の25・4%を大きく上回っている。
これまでに孤独死が発覚したケースは表面化していないが、異常を察知しても施錠されていて入室できない1人暮らしのケースなどへの備えとして、団地管理者の同公社と連携して防止策を講じることにした。
協定は、部屋のポストに新聞や郵便物がたまっていたり、室内から異臭がしたりといった異常を感じた場合に住民らが公社に連絡。通報を受けた公社は対象者の家族らから入室許可を得るとともに、警察や消防の立ち会いの下で玄関を解錠して立ち入り、速やかに安否確認できるようにする内容。公社への通報は、お年寄りの相談窓口を担う地域包括支援センターの職員をはじめ、民生委員や近隣住民らが、高齢者の見守り活動をする中で対応する。
22日に協定を結んだ市は、緊急時の連絡先がきちんと決められ、施錠時もドアを壊すトラブルが避けられるなどのメリットを強調し、「見守り活動をする担当者たちの心の負担も減る」と評価。今後は「県営住宅などにも協定締結を呼び掛け、民間マンションのオーナーや管理会社にもこの仕組みを広げられれば」と、全市的な見守り態勢の強化につなげたい意向を示している。
神奈川新聞 3月27日(日)
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