男性孤独死、養女が提訴 都城市に損害賠償請求

都城市のアパート一室で孤独死した生活保護受給者の男性=当時(49)=の養女が、同市と同市職員を相手取り、慰謝料などとして約2200万円の損害賠償を求める訴訟を宮崎地裁都城支部に起こしたことが16日、分かった。養女は「(要請を受けた)市がすぐに安否確認に行っていれば父は死なずにすんだ」と主張している。提訴は8日付。

宮崎日日新聞 3月17日(木)

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京都のごみ屋敷や横浜の違法屋台…撤去費用は誰が負担?

景観を損なう空き家や往来を妨げる障害物が近所にあれば、何とか撤去してほしい――誰しもそう思うでしょう。所有者に代わって、行政機関が行うのが「行政代執行(代執行)」です。代執行…最近よくニュースになっています。

ごみ屋敷、空き家、屋台…最近増えてきた?

 最近の主なものを挙げると、京都市は昨年11月、ごみ屋敷条例に基づき、ごみ撤去の代執行を行いました。京都市は7月から居住男性に行政指導を行いましたが改善されず、同条例に基づく全国初の代執行を行いました。

また、和歌山県は3月2日、景観に関する条例に基づいて空き家撤去を、横浜市は3月3日、JR横浜駅西口近くの路上で60年以上にわたり道路使用許可を取らずに営業を続けていたおでん屋台撤去を代執行しました。葛飾区では3月3日、昨年5月に施行された空家対策特別措置法に基づき、空き家を撤去しました。

著しく公益に反することが要件

 代執行は、行政機関が義務を果たさない人に代わって撤去・排除などを行う強制的な行動を指します。憲法第13条では、基本的人権の尊重を謳っていますが、「公共の福祉に反しない限り」と制限しています。

行政代執行法でも、代執行の要件として、(1)義務者が義務を履行しない、(2)他の手段で義務の履行を確保することが困難、(3)不履行を放置することが著しく公益に反する、の3点を挙げています。

所有者から費用を徴収、不明の場合は行政負担も

 代執行を行う前には撤去命令や戒告を行います。これは行政代執行法に基づく行政処分であり、公権力を持った行為です。行政処分に不服があれば、異議申し立てができます。代執行そのものは事実行為なので、差し止め訴訟を行う場合には、前段の行政処分の取り消しを求める訴えになります。

また、代執行に要した費用は所有者負担なので、所有者が応じなければ強制徴収されます。しかし、所有者に財産がなかったり、所有者不明だったりした場合は最終的に行政負担となります。

株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー 3月7日(月)

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“孤独よさらば”シニア街コンに手応え 

高齢者の「孤独」が社会問題となっている。少子化に伴う核家族化が進み、1人暮らしのお年寄りが急増。「きょう、誰とも話をしていない」が日常となっているケースも。こうした状況を受け、山形市内の繁華街「花小路」で60代以上を対象に「出会いの場」を提供する取り組みが注目を集めている。形式は出会いを求める若者の定番となっている「街コン」。主催者は「大事なのはきっかけ。反応は上々」と手応えを感じている。

狭い通りに居酒屋やバーがひしめく花小路の一画にある居酒屋「たから湯」=同市七日町4丁目=が「シニア街コン」の会場だ。店主の藤原隆さん(69)は「STOP独りぼっち」をテーマに掲げて5年前に企画した。背景には自身が経験した寂しさがあるという。

藤原さんは35歳で離婚し、現在までずっと独身。仕事がうまくいかなかった時など、ふと寂しさが込み上げた。店を開く前に働いていた職場の同僚とも退職を機に交流が途絶え「あんなに仲が良かったのに…」。環境が変われば人付き合いはがらりと変わることを痛感した。

「年を取り、気付いたら回りに誰もいなかった。そうならないようにしてほしい」。少子高齢化と核家族化が進み、1人で寂しく暮らす高齢者が増加している。近所付き合いも薄れ、昔と比べて人間関係も希薄になりつつある。孤独に陥るお年寄りが後を絶たない。

高齢になってから人付き合いがなくなることは「孤独死」につながるリスクを高める。「若者が独りでいるのも心配だが、お年寄りはもっと心配」。藤原さんは高齢者の孤独を深刻に捉えている。

たから湯では毎月1回、60代と70代以上を対象にした街コンがそれぞれ開かれている。50代向けに婚活を目的とした飲み会もある。全て食事付きで、飲み放題。カラオケを楽しむこともできる。「参加者も多く、みんな若者に負けないほど活発」と藤原さんは反響に驚く。

先月末、主に60歳以上の男女を対象に開催した街コンに本紙記者が同席した。この日は山形市内外から男女計8人が参加。友人と参加した50代女性は「最近は家族間のコミュニケーションが減り、寂しい。誰かと話せるこの会は大切な場所だ」と話す。60代男性は「初めて会う人たちだが、会話をすると元気になれた」と笑顔を見せた。

年齢を重ねるほど孤独に対する耐性は衰えると参加者は口をそろえた。「1人でも多くの友達を作ってもらいたい」。ふれあい、会話の楽しさを満喫している参加者の様子を見ながら藤原さんがつぶやいた。

山形新聞社  3月14日(月)

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孤独死

 

ごみ屋敷対策を条例化へ 「まちの景観守る」八潮市、県内初

八潮市は、空き家に加えて居住中の「ごみ屋敷」についても所有者に問題解消を勧告・命令できるほか、行政代執行による強制撤去を可能にする「同市まちの景観と空家等対策計画」を策定した。市は計画に基づく条例案を市議会6月定例会に提出する予定で、10日から条例の骨子案について意見公募(パブリックコメント)を開始。可決されれば県内自治体で初めてのごみ屋敷対策条例となる。

同市の空き家数は平成25年時点で3210戸あり、20年と比べて660戸(25・9%)増加。全体の8・7%で、県内で調査された54市町のうち46番目と低水準にとどまるが、今後、急速な老朽化や空き家化が見込まれている。そのため、27年度に学識経験者や市民などで構成する協議会を設置し検討を重ねてきた。

計画では、放置すれば倒壊や悪臭など地域住民の生活に支障を及ぼす恐れがある管理不全状態の空き家を「特定空家」とし、同様の状態にあるごみ屋敷などの居住物件を「特定居住物件」と定義。居住実態が確認できず、所有者が「物置として使用している」などと主張する場合も特定居住物件に含めるという。

対象建築物について町会や自治会、民生委員らから情報を収集。一級建築士による現地調査や立ち入り調査を経て、設置を予定している審議会が判定する。

特定空家については、27年5月に施行された空き家対策の特別措置法が自治体による所有者への勧告・命令、従わない場合の行政代執行を認めている。市の計画では、通学路に雨戸や瓦が落ちそうになっている場合などは、特定空家の認定前でも即時撤去などの「緊急安全措置」を取れるようにする。

特定居住物件は特措法の対象外となっているため、条例化で空き家と同レベルの対策を可能にする。特にごみ屋敷では、居住者の生活困窮や支援の拒絶、孤立が背景にあるケースも多く、保健センターの紹介など福祉的な支援も条例に盛り込む方針という。

市内のごみ屋敷は27年調査で3件だったが、市都市デザイン課は「まちの景観を守るという観点から総合的に判断し、空き家のほかにごみ屋敷も対象とした。制度整備をしておけば迅速な対応が可能になる」としている。

産経新聞 2月9日(火)

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孤立死、届かぬSOS

全国各地で、行政の適切な支援を受けられず、親族や近隣住民に気付かれないまま孤立死したとみられるケースが出ている。京都市右京区でも昨年、民家で40代の男女2人の遺体が見つかった。生前の2人の足跡をたどると、高齢者にとどまらない孤立の現状と、早期発見で福祉支援につなげることの難しさが浮かぶ。
滞納されていた水道料金の徴収に訪れた市職員が異臭に気付いた。酷暑だった昨年8月6日夕。2階のベッドで姉=当時(48)=が、床で弟=同(46)=がパジャマ姿で死亡していた。右京署によると、司法解剖したが死亡時期は不明。屋内に食料はなく、餓死の可能性もあるが、死因も特定できなかったという。
近くの住民によると、2人は仲が良く、姉は薬局で働いていたことがあり、弟は地域の自治会役員を務めていた。近所の男性(65)は「真面目な努力家」と振り返るが、住民たちは「最後に姿を見たのは半年ほど前」と口をそろえた。
2人が最初に右京区保護課を訪れたのは2012年6月。生活保護について尋ね、職員は姉の生命保険解約を提案し、就労の支援制度を紹介した。翌年4月、姉は右京保健センターで就労や医療面の相談をした。
センターでは、通院歴を踏まえ、精神保健福祉相談員が対応したが、緊急性がある事案との特記を残さず、具体的な支援や経過観察につながらなかった。木村和史健康づくり推進課長は「衣服の汚れなど変わった様子や生活困窮の訴えはなかった。2人暮らしでもあり、生死に関わる状況と察することができなかった」と話す。
最後に2人が区保護課に姿を見せたのは昨年1月。保険解約金が底をつき始めた、と生活保護の申請を打診した。課によると、当時の2人の収入は弟のアルバイト賃金と障害厚生年金で月計約16万円。生活保護給付基準の収入額(1世帯12万8千円)を上回り、担当者は「収入が減れば相談を」と呼び掛け、手続きなどを説明した。ただ、保護課とセンターの間で情報は共有されなかった。
生活保護制度に詳しい花園大の吉永純教授は「行政は税や水道料金の滞納など、生活の危機が感じられる情報を把握しているが、担当課の枠を超えた情報共有ができていない。住民との連携を含めた支援策の構築が急務だ」と指摘する。

京都新聞 1月21日(木)

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